スタッフブログ・家づくりコラム
実家の近くに家を建てるメリット・デメリットと、失敗しない“距離感のつくり方”【滋賀県甲賀市新築コラムVol.537】
2025.12.05

はじめに:地元で家を建てる“一番の不安”は「親との距離感」
「実家の近くに住みたいけれど、近すぎると気を使いそう……」
「メリットがあるのは分かるけれど、デメリットも正直ありそう」
「どれくらいの距離が“ちょうどいい”のか分からない」
これは、実家近くで家を建てることを検討しているお客様が
必ずと言っていいほど抱える悩みです。
この記事では次の3つの視点から整理していきます。
-
実家の近くに家を建てる“現実的メリット”
-
逆に注意したい“デメリット”
-
そのうえで、「ちょうどいい距離」をつくる建築的・生活的工夫
「地元で建てたいけど迷っている」という方こそ、
家づくりの判断材料としてお役立ていただける内容です。
1. 実家の近くに家を建てる“明確なメリット”
メリットは感覚論ではなく、実際の生活と家計に直結します。

① 子育てのサポートを受けられる(これは圧倒的)
特に共働き夫婦にとって、
“子どもを預けられる相手がいる”というのは何よりの安心です。
-
保育園のお迎え
-
急な発熱
-
送り迎えのフォロー
-
習い事の付き添い
-
長期休みの預かり
これらが「お願いできる可能性がある」というだけで、
日常のストレスが桁違いに減ります。
都会では「両親が遠い」というだけで、
共働きの難易度が跳ね上がります。
これは実際に住宅営業でも、最も多い相談理由です。
② 暮らしの“セーフティネット”が増える
親が近くにいるだけで、生活トラブルにも強くなります。
-
財布を忘れた
-
車が動かない
-
体調不良
-
災害時や停電時
-
子どものケガや病気
日々の細かい不安が減り、
「困ったときに頼れる人がいる」という安心感が出てくる。
これは、お金では買えない価値です。
③ 親世代と“ちょうどいい協力関係”ができる
意外と多いのが、
「こちらも親の家事を手伝えるようになってよかった」という声です。
-
買い物のサポート
-
病院への送迎
-
雪の日の見守り
-
高齢になった後のフォロー
親を助ける側にも回りやすい距離感になります。
④ 経済的なメリットが大きい
地元で家を建てるほうが、
都会で住み続けるより“家計にゆとりが生まれやすい”のは事実です。
-
駐車場代が不要
-
食材・衣類が比較的安い
-
通勤費が少なくなるケースも多い
-
子育て関連費が抑えられる
-
土地代が都会より圧倒的に安い
つまり、
同じ収入でも生活の満足度が全く違う。
「実家の近くで家を建てる」という選択は、
感情だけでなく経済的にも合理的といえます。
⑤ 実家の土地を活用できる可能性がある
これは大きなメリットです。
-
更地を分筆して建てる
-
親の敷地の一部を借地利用
-
将来の相続を踏まえた計画
土地の費用が大幅に減るケースもあります。
もちろん、法的チェックや境界確認は必須ですが、
このあたりは地元に強い工務店(びわこホーム)が圧倒的にサポート可能な分野です。
2. 実家近くに家を建てる“デメリット”
メリットが強烈な一方で、
デメリットも確実に存在します。
それを正しく理解した上で調整することが重要です。

① 親との距離が近すぎると気まずくなる
「近すぎると毎日来られるのでは?」
「育児について口を出されそう」
これは全員が気にするポイント。
精神的な距離感は、建築距離より難しい面があります。
→ ただしこれは**“設計の力”でほぼ解決できます。**
後ほど解説します。
② お互いの生活リズムが違う
親世代と自分たち世代では、
生活時間帯が全く違います。
-
朝が早い
-
食事の時間
-
来客の頻度
-
生活音
これがストレスになることもあります。
③ 地域のコミュニティが濃い場合がある
「自治会が活発」
「町内の行事が多い」
「人付き合いが密」
こうした地域は、都会育ちの方にとっては驚くケースもあります。
→ しかし、甲賀市・湖南市は“ほどよくゆるい”エリアが多いので、
生活のしやすさはかなり高めです。
④ 期待されすぎることがある
実家の近くに住むことで、
親からの期待値が上がるケースも。
-
頻繁に家事を頼まれる
-
孫の行事にすべて付き添ってほしい
-
“助け合い”のラインが曖昧になる
これは、最初の距離感設定が重要です。
3. デメリットを解消する“ちょうどいい距離感”のつくり方
ここが今回のコラムの核心です。
実家に近くても、
距離感を間違えなければストレスはほぼゼロ。
むしろ「最高の環境」になります。

① 歩いて行けない距離にする(車で5分)が黄金バランス
経験上、
実家から「徒歩2〜3分」より「車で5分」の方が関係性が安定します。
-
近すぎない
-
すぐ行ける
-
緊急時も安心
-
頻繁に来られすぎない
この距離感は“最高の関係”を保ちやすい。
実際、びわこホームで建てられた方も
「車で5分がいちばん平和」と話されることが多いです。
② 同じ敷地内に建てるなら“動線の独立”が必須
敷地が広い場合、
親の土地に建てるケースもあります。
このとき重要なのは
動線の独立です。
-
玄関を完全に別にする
-
プライベートデッキを分ける
-
物干しスペースも分離
-
来客動線を交差させない
-
水まわりは絶対に独立させる
これらを徹底すると、
同じ敷地内でも“適度な距離”を保てます。
③ 間取りで「生活音」をコントロールする
親の家と近い場合、
音がストレスになることがあります。
-
寝室の窓は隣家と向かい合わせにしない
-
玄関の位置をずらす
-
リビングは親宅と反対方向に配置
-
バルコニーの位置をずらす
-
駐車場で適度な距離を確保する
間取りの工夫で、
“互いに気を使わない”暮らしが成立します。
これは匠人(自由設計)で最も得意な分野です。
④ 生活ルールを最初に軽く話し合うとスムーズ
難しく考える必要はありませんが、
事前に“軽い打ち合わせ”をしておくと、
後のズレがかなり減ります。
例:
-
週に何回会うのが理想?
-
育児で頼るラインは?
-
来客時は連絡する?
-
生活リズムで配慮してほしいことは?
ゆるい確認だけでも十分効果あり。
⑤ 親との距離を「建築的にデザインする」
びわこホームでは、
こうした“心理的距離”を間取りや配置計画で解消することが得意です。
-
実家から見えない配置
-
動線が交差しない玄関
-
適度な距離感の庭づくり
-
プライベートを守る窓計画
「家づくり=物理的な距離感の設計」
と捉えると、非常にしっくりきます。
4. 実際にあった成功例と失敗例(びわこホームの経験より)
● 成功例:車で5分~10分の距離
共働き+子育て世帯。
親のフォローがありつつ、お互い干渉しすぎず理想的。
● 成功例:敷地内別棟
玄関を反対側に配置し、デッキも独立。
「隣に住んでいるのに全然気にならない」と喜ばれた例。
● 失敗例:近すぎる距離
徒歩30秒の位置。
親が毎日のように訪問し、気まずくなる。
→ 第3回で解決策も含めて解説します。
まとめ:距離感さえ調整すれば、実家の近くは“最強の住環境”
メリット
・子育てが圧倒的にラク
・生活の安定感が増す
・経済的メリットが大きい
・親の見守りがしやすい
デメリット
・生活リズムの違い
・干渉の可能性
・地域の文化差
しかし、
このデメリットはすべて“距離感のデザイン”で調整できます。
家づくりとは、
「生活距離の設計」でもあります。
omoitasuでも匠人でも、
びわこホームならその解決策を提案できます。
次回予告(Vol.538)
「都会から地元に戻って家を建てる。土地選び・資金計画・実家の土地活用のポイント」
土地名義や境界、地目、贈与、接道など
“Uターン家づくりでよくつまづくポイント”を
まとめて解説します。
月別アーカイブ
-
2025年12月(1)
-
2025年11月(5)
-
2025年10月(6)
-
2025年9月(2)
-
2025年8月(5)
-
2025年7月(4)
-
2025年6月(5)
-
2025年5月(6)
-
2025年4月(4)
-
2025年3月(6)
-
2025年2月(5)
-
2025年1月(5)
-
2024年12月(4)
-
2024年11月(2)
-
2024年10月(3)
-
2024年9月(5)
-
2024年8月(3)
-
2024年7月(6)
-
2024年6月(2)
-
2024年5月(4)
-
2024年4月(1)
-
2024年3月(1)
-
2024年2月(4)
-
2024年1月(5)
-
2023年12月(3)
-
2023年11月(2)
-
2023年10月(3)
-
2023年9月(3)
-
2023年8月(2)
-
2023年7月(3)
-
2023年6月(3)
-
2023年5月(3)
-
2023年4月(3)
-
2023年3月(3)
-
2023年2月(4)
-
2023年1月(5)
-
2022年12月(4)
-
2022年11月(5)
-
2022年10月(5)
-
2022年9月(6)
-
2022年8月(2)
-
2022年7月(7)
-
2022年6月(4)
-
2022年5月(7)
-
2022年4月(7)
-
2022年3月(4)
-
2022年2月(3)
-
2022年1月(4)
-
2021年12月(6)
-
2021年11月(7)
-
2021年10月(6)
-
2021年9月(3)
-
2021年8月(7)
-
2021年7月(6)
-
2021年6月(11)
-
2021年5月(6)
-
2021年4月(6)
-
2021年3月(8)
-
2021年2月(6)
-
2021年1月(8)
-
2020年12月(5)
-
2020年11月(10)
-
2020年10月(5)
-
2020年9月(8)
-
2020年8月(7)
-
2020年7月(9)
-
2020年6月(7)
-
2020年5月(7)
-
2020年4月(4)
-
2020年3月(5)
-
2020年2月(7)
-
2020年1月(8)
-
2019年12月(4)
-
2019年11月(7)
-
2019年10月(6)
-
2019年9月(8)
-
2019年8月(6)
-
2019年7月(8)
-
2019年6月(6)
-
2019年5月(3)
-
2019年4月(4)
-
2019年3月(6)
-
2019年2月(4)
-
2019年1月(5)