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性能はどう選ぶ?高気密高断熱住宅における換気の見極め方とよくある質問【滋賀県甲賀市新築コラムVol.517】

2025.09.10

性能はどう選ぶ?高気密高断熱住宅における換気の見極め方とよくある質問

1. はじめに

第1回では「換気の種類と仕組み」、第2回では「結露や健康との関係」を解説しました。
最終回の今回は、実際に換気システムを選ぶときの判断基準と、お客様からいただくよくある質問への専門的な回答をまとめます。

高気密高断熱住宅の普及により「24時間換気システムは当たり前」になりましたが、同時に「壊れないの?」「電気代は?」など不安の声も増えています。ここでは、住宅の性能に合った選び方と、長く快適に使うための注意点を詳しく掘り下げます。

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2. 換気システム選びの基本

家の性能に合わせることが第一歩

高気密高断熱住宅は「隙間が少なく、自然換気に頼れない」ため、計画換気が前提となります。そのため「なんとなく第一種が高性能だから」という理由だけで決めるのは危険です。

  • 第一種換気(給気・排気を機械で制御)

    • 第一種(ダクト式):熱交換効率が高いが、ダクト清掃を怠るとモーターや送風の負担増 → 寿命短縮リスク。

    • 第一種(ダクトレス式):清掃しやすく交換も容易。壊れるリスクは低めだが、フィルター詰まりは大敵。

  • 第二種換気(給気は機械、排気は自然)
     主に病院やクリーンルーム向け。住宅ではほぼ採用されません。

  • 第三種換気(給気は自然、排気は機械)

    • 第三種(局所排気型):壊れるのは換気扇単体。交換費用は比較的安い。

    • 第三種(全室排気型):シンプルで修理しやすいが、ファンへの負担が大きい場合がある。


「第一種=一番良い」は誤解

「第一種が一番性能いいんじゃないの?」という質問は非常に多いです。確かに制御性は高いですが、万能ではありません

  • 費用に見合う暮らしの満足度が得られるか?

  • 実際のメンテナンスを自分たちで継続できるか?

  • 家の規模やライフスタイルに合っているか?

この視点が抜けると「高性能を選んだはずが、手間ばかり増えて後悔した」ということになりかねません。


3.よくある質問 Q&A(充実版)

性能や選び方に関する疑問

  • Q:第一種が一番性能が良いんですよね?
     →「良い」というより「熱交換機能があるため快適性が高い」。ただし初期コストや掃除の手間は大きく、必ずしも全員に最適とは限りません。

  • Q:第三種だと寒さや暑さが入りやすい?
     →確かに外気がそのまま入るため体感は変わります。ただし最近の高気密住宅なら、窓からの漏気が少なく「思ったより快適」という声もあります。

  • Q:ダクト式とダクトレス式、どっちが長持ち?
     →部品交換のしやすさで言えばダクトレス式。ダクト式は掃除をきちんとすれば寿命は長いです。


耐久性や故障に関する疑問

  • Q:何年くらい持ちますか?
     →ファンは10〜15年程度が目安。モーター自体はもっと持つ場合もありますが、フィルターや清掃状態で大きく変わります。

  • Q:止めると寿命が延びますか?
     →逆に寿命を縮めます。モーターは「動き続ける設計」で、止めたり動かしたりの繰り返しが一番の負担です。

  • Q:壊れたら家の換気が止まってしまう?
     →第一種は止まると家全体が影響を受けやすいですが、第三種は個別に換気扇交換で済む場合が多いです。


メンテナンスに関する疑問

  • Q:フィルター清掃はどれくらいの頻度?
     →半年に1回程度が推奨。ただし花粉症のご家庭やペットがいる場合は3ヶ月に1回が安心。

  • Q:ダクト清掃はどうするの?
     →専門業者による点検・清掃が必要。数年に1回のメンテで寿命を大きく延ばせます。

  • Q:フィルター交換を怠るとどうなる?
     →空気が通りにくくなりモーターの負担が増大。効率が落ちるだけでなく、電気代が高くなるケースもあります。


暮らしに直結する疑問

  • Q:換気を止めていたらどうなる?
     →結露・カビのリスク急増。冬場の窓結露や押入れのカビ発生は、換気停止が原因のことが多いです。

  • Q:夜に音が気になることはないですか?
     →近年の機種は非常に静音化されており、寝室でも気にならないレベル。むしろエアコンの風音の方が大きいことも。

  • Q:電気代はどのくらいかかりますか?
     →月数百円〜千円程度。最新機種では省エネ性能が高く「止めるより回しっぱなしの方が合理的」です。


4.適切な運用=壊れにくい

換気システムは「つけっぱなし前提」で作られています。
つまり、定期的な清掃・点検を習慣にすることこそ、壊れにくさにつながるということです。


まとめ

  • 換気方式ごとに壊れやすさや交換難易度が違う

  • メンテナンスを怠ると寿命は大幅に縮む

  • 「第一種が一番良い」とは限らず、暮らし方に合った選択が重要

  • よくある質問を解消して、安心して長く使えるようにすることが大切

びわこホームには、営業担当に加え設計士・コーディネーター・施工管理といった専門職スタッフが多数在籍しています。
「我が家にはどの換気方式が合うのか?」「結露を抑えたいけど掃除は楽にしたい」など、暮らしに即したアドバイスを行っています。ぜひお気軽にご相談ください。

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