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換気口の種類と特徴を知ることから始めよう【滋賀県甲賀市新築コラムVol.515】

2025.09.01

換気口の種類と特徴を知ることから始めよう 

はじめに

新築やリフォームを検討する際、「換気」というテーマはどうしても後回しになりがちです。外観デザインや間取り、キッチンや浴室の仕様に比べると目立たない存在だからです。しかし、換気は家の寿命や快適性、そして健康に直結する非常に大切な要素です。

今回は3回にわたって【換気口・空気と暮らしのいい関係】をシリーズでコラムお届けいたします!

現代の住宅は高気密・高断熱化が進み、昔のように「隙間風でなんとなく換気されている」という時代ではなくなりました。そのため、法律でも「24時間換気システム」の設置が義務化されています。とはいえ、「第一種が一番性能がいいんでしょ?」といった声や、「24時間ずっと動かして壊れないの?」という疑問はよく聞かれるものです。

本記事では、まずは基礎として 第一種換気~第三種換気の違い を整理し、それぞれの特徴・メリット・デメリットを解説します。その上で、結露やカビを防ぐために「家の運用」がいかに大切か、そして「性能が高い=最適」ではない理由についても触れていきます。


換気の種類 ― 第一種・第二種・第三種とは

換気システムは大きく分けて「第一種」「第二種」「第三種」の3つがあります。違いは、「給気」と「排気」を機械で行うのか、自然に任せるのか という点にあります。

第一種換気

  • 給気:機械(ファン)で強制的に行う

  • 排気:機械(ファン)で強制的に行う
    → つまり、給気も排気も機械でコントロールする方式

種類:ダクト式とダクトレス式

  • ダクト式(セントラル方式)
     天井裏や床下にダクトを張り巡らせ、各部屋に空気を供給・排気する。
     ◎ 家全体の空気を均一に管理できる
     △ ダクト内の清掃が難しく、カビや埃が溜まるリスクがある
     △ 初期費用・メンテナンス費用が高め

  • ダクトレス式(各部屋個別方式)
     各部屋に給気・排気のユニットを設置する。
     ◎ ダクトが不要で清掃性が高い
     ◎ リフォームや部分導入にも向く
     △ 部屋ごとに機器を設置するため外観に換気口が多くなる


第二種換気

  • 給気:機械で強制的に行う

  • 排気:自然排気

病院のクリーンルームや食品工場など、ホコリを極端に嫌う場所で採用されます。一般住宅ではまず使われません。


第三種換気

  • 給気:自然に任せる(給気口から外気が入る)

  • 排気:機械(ファン)で強制的に行う
    → つまり、排気ファンで家を負圧にして、給気口から空気を入れる方式

種類の分け方

  1. 排気方式
     - 局所排気型(トイレ・浴室・キッチンだけ排気)
     - 全室排気型(居室ごとに排気ファンを設置)

  2. 給気口の方式
     - 壁付け給気口(安価で施工が簡単。ただし冬は冷気が直に入る感覚あり)
     - サッシ一体型(窓枠上部に設置。デザイン性は良いが掃除の手間が増える)

  3. 制御方法
     - 常時運転型(最も一般的、24時間換気法に準拠)
     - タイマー・センサー型(湿度や人感で制御。ただし法的には常時換気が前提)


メリット・デメリットの比較

第一種換気のメリット・デメリット

  • ◎ 給気・排気を完全にコントロールできる

  • ◎ 熱交換換気と組み合わせると冷暖房効率が高い

  • △ 初期費用が高い

  • △ ダクトのメンテナンスが難しい

第三種換気のメリット・デメリット

  • ◎ 構造がシンプルで壊れにくい

  • ◎ 費用が比較的安い

  • △ 給気が自然任せのため、部屋ごとにムラが出やすい

  • △ 冬は冷気が入り込み、夏は湿気も取り込みやすい


よくある質問(Q&A)

Q1. 「第一種が一番性能がいいんじゃないの?」

A. 確かに第一種は「性能が高い」ですが、それが暮らしに最適かどうかは別問題です。ダクト清掃を怠ると逆に不衛生になったり、メンテナンスコストが高くつくこともあります。

Q2. 「24時間換気って止めてもいいの?」

A. 結露・カビ防止のため、原則止めないことが前提です。実際、「冬に寒いからと止めてしまったら結露が出て壁紙にカビが発生した」というケースもあります。

Q3. 「結露を防ぐには換気だけでいいの?」

A. 換気だけでは不十分です。家の断熱性能・気密性・換気のバランスが重要です。「換気しているのに結露する」場合は、家の造りや生活習慣にも原因があります。


実例 ― 換気を止めてしまった失敗

あるご家庭では「冬に寒いから」とトイレや浴室の換気扇をオフにしていました。その結果、壁内で湿気が溜まり、見えないカビが発生。内装を剥がして修繕する大工事となりました。
→ 「換気はつけっぱなし」が鉄則です。


専門家に相談するメリット

換気システムは、住宅の断熱・気密性能、家族の生活習慣、立地環境によって「正解」が変わります。びわこホームでは、営業だけでなく設計士やコーディネーター、施工管理など専門職のスタッフがワンストップで対応しています。「我が家には第一種が良いのか?第三種で十分なのか?」といった疑問もお気軽にご相談ください。


まとめ

  • 第一種換気には「ダクト式/ダクトレス」がある

  • 第三種換気にも「局所排気型/全室排気型」「給気口の方式」「制御方法」といった違いがある

  • 性能が高い=最適とは限らない

  • 結露やカビを防ぐには「家の性能+運用の仕方」が不可欠

  • 専門家に相談することで、自分たちの暮らしに合った換気方式を選べる

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